top of page

「エシカル」な取り組み,拡大中

更新日:10月2日


ree

エシカルcafeとしょかんのとなりの「コンポスト活動」 


 エシカルcafeとしょかんのとなりは,さいたま市見沼区にある大宮東図書館に併設されたカフェです.2023年5月にオープンして2年が過ぎ,図書館を訪れる方や,近くの公園や武道館,区役所に来た地域の方々に,ほっとひと息つく場所として親しんでいただけるようになってきたと感じています.


ゴミ”を“資源”に


 そんな私たちのカフェでは,2025年度から,新しい取り組みを始めました.それは,“ごみ”として捨てていたものを,もう一度「資源」として見つめ直すコンポスト活動です.

カフェでは,野菜の皮やヘタ,果物の芯,コーヒーかす,卵の殻,鶏肉の脂身や骨,食べ残しなど,どうしても日々たくさんの生ごみが出ます.これまでは,すべてゴミとして処理していましたが,地域の農家さんと協力し,「資源」として活用する仕組みを整え始めました.


 連携しているのは,同じ見沼区にある「ヨサクファーム」さん.私たちが出した生ごみを農家さんが受け取り,米ぬかやもみ殻などを加えて発酵・熟成させ,野菜作りに適した完熟堆肥に仕上げてくれます.こうしてできた堆肥を使って育った有機野菜を,今度はカフェが仕入れ,ランチプレートやスープ,ドレッシングなどに取り入れています.このように,生ごみ → 堆肥 → 野菜 → 料理 → 生ごみ……と,地域の中で循環する食の仕組みが少しずつ動き出しています.


 また,ヨサクファームさんの野菜は店頭でも販売しており,購入した野菜を食べることで,お客様にもご自宅でこの循環の一端を楽しんでいただくことができます.


コンポストって?

 

 最近よく耳にするようになった「コンポスト」という言葉.でも,あらためて「それって何?」と聞かれると,少し戸惑ってしまう人も多いかもしれません.


 コンポストとは,生ごみや落ち葉などの有機物を,微生物の力で発酵・分解させ,土に還していく仕組みのこと.もともとは英語の“Compost”=堆肥という言葉で,特別なことではなく,昔からある自然の循環のひとつです.近年では,都市部でもこの仕組みを暮らしに取り入れる動きが広がっています.たとえば,アメリカ・ニューヨークでは街中にコンポスト回収ステーションが設置され,住民が気軽に生ごみを持ち込めるようになっています.また,オランダ・アムステルダムでは“ワームホテル”と呼ばれるミミズコンポストが地域で人気を集めています.複数の家庭が共同で運営し,ミミズの力で生ごみを分解しながら,堆肥づくりを楽しむ文化が広がっています.


 日本でも近年,家庭用コンポストが少しずつ普及してきました.ベランダやキッチンに設置できるコンパクトなタイプや,おしゃれなデザインのものも登場し,若い世代のあいだでも注目が高まっています.


 なぜ今,コンポストがこれほど注目されているのでしょうか.それは,生ごみが地球環境に与える影響が,思った以上に大きいからです.実は,生ごみの約8割は水分.これを焼却処理するには大量のエネルギーが必要で,CO₂の排出量も少なくありません.


ree

 「燃やして終わり」ではなく,「土に還す」ことができれば,ごみは資源に変わり,環境への負荷もぐっと減らせる.


 身近なところから自然の循環を感じる手段として,コンポストはとてもシンプルで,そして希望のある選択なのかもしれません.


まずはできることから


 一見すると小さな循環の輪ですが,そこには「無駄にしない知恵」と「人のつながり」がしっかりと息づいています.

 私たちがこの取り組みを始めた背景には,環境への意識だけでなく,地域に根ざしたエシカルな営みを育んでいきたいという想いがあります.「エシカル」という言葉は,聞き慣れないかもしれません.難しく考えるよりも,「食べものを無駄にしない」「育てた人の顔が見える野菜を使う」といった,日々の小さな選択から始めてみることが大切だと感じています.


ree

 

 地球環境のこと,地域のこと,食のこと…….


 すべてを完璧にするのは難しいけれど,「できることから少しずつ」を合言葉に,私たちなりのやり方で環境や地域に“ちょっといいこと”をこれからも続けていきます.      (安藤 司)



エシカル cafe としょかんのとなり

〒337-0052 さいたま市見沼区堀崎町48-1

TEL 070-3260-2020

<営業時間> 

 火~土 11:00~16:00(日・月・祝日定休)

 

コメント


bottom of page