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100 年後の未来を創るプロジェクトに


 今世界中で COVID-19 が猛威を振るい,日 本でも再度感染が拡大している . いつ収束する のか先が見えない中で,多くの人がこれまでの 生活を大きく変えざるを得ない状況に置かれて いる.

 

 そんな中,やどかりの里では,2020 年 1 月から「ファイザープログラム 心とからだの ヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援」 (ファイザー株式会社による助成事業)の助成 を受けて活動を始めた .


 プロジェクト名は「見沼の文化と SDGsを意 識した共同創造のソーシャルファームづくり」. プロジェクトのキーワーズは,「居場所・仕事・ つながり」だ.目指すは,障害のあるなしに関 わらず,大人も子どもも誰でも参加できる活動, そして最大の特徴は,人と人のつながりだけで なく,見沼の自然や文化を生かしたプロジェク トであるということだ.


 地域雑誌「さいたま見沼 よみさんぽ」を発 行して8年.地域を歩き,地域の宝を発見する 紙面づくりを目指してきた.見沼の自然や歴史 に触れ,先達の足跡を辿ることで,私たちの今 の行動が未来を左右するのだという責任を感じ 始めている.このプロジェクトは,まさに 100 年後の未来を創るための取り組みだといえよう .


 よみさんぽでは,「ヤギ日誌」の連載が始まっ た.地元の芝川小学校 PTA のみなさんが飼い 始めたヤギが街を散歩し,ヤギ散歩の仲間が増 えていく.そして,ヤギがごみを食べてしまわ ないように子どもたちが散歩道のごみ拾いを始 める,そしていつかこの川でカヌーが楽しめる ようにきれいにしよう,と環境問題にまでつ ながっていく.ヤギの餌を集めるために仲間の ネットワークが動き,ヤギの存在が地域の中に 埋もれていた「役に立ちたい」「何かお手伝い したい」という人たちの気持ちを動かし始めて いるのだ.


 COVID-19 の感染拡大を防ぐために,人と人 の距離をとることが求められる . しかし,この プロジェクトは,人と人,人と自然のつながり を創り出すことで社会を変えていこうとしてい る.今までにないつながりを求める社会のあり 方を模索している.


 そして,2020 年の取り組みと 2021 年度の実 施計画を評価され,ファイザープログラムの継 続助成決定の知らせを受けた.障害分野から地 域に視野を広げていくと,分野は違っても,社 会をよりよくしたいと思っている人たちがたく さんいることに気づく.自分の得手や自分の時 間を誰かのために活かしたいと思っている人た ちもたくさんいる.


 また,支援されるだけでな く,誰かの役に立ちたいと思っている人たちも たくさんいる.その思いをつなげていくことが このプロジェクトの成功の鍵である.2021年は, ソーシャルファームの具体化に向けて,具体的 な取り組みをスタートさせる . まずはキッチン カーを使って,見沼の界隈を巡回し、近隣の人 たちがコーヒーを飲みながらくつろぎ,おしゃ べりできて,気軽に相談できる場を作っていく 予定だ . ヤギの力も貸してもらう .  


 見沼の歴史や文化を築く一員として,100 年 後の未来のために今私たちにできることを精一 杯取り組みたいと思う.






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