豊かな自然を身近に感じることができる見沼.その源は水の歴史にあります.
縄文時代,見沼の地域は今よりもずっと海面が高く,東京湾ともつながる入り江でした.弥生時代に入って海面が下がると,いくつもの沼が残ります.これが見沼のはじまりです.
時は進んで江戸時代.豊臣秀吉から関東の領地を与えられた徳川家康は,江戸を水害から守り,農業用水を確保するために,河川工事に取り組みました.家康の家臣,伊奈忠治は,現在のさいたま市緑区附島と川口市木曽呂の間に長さ8町(約870メートル)の堤防「八丁堤」を建設し,見沼溜井をつくりました.
水が豊かな見沼で生きる人々は,水の恩恵を受けながら,同時に水害の被害にも悩まされていました.今も私たちの暮らしに身近な大宮氷川神社は,古来より見沼の水神様を祀ってきたといわれています.私たちのご先祖さまたちは,日々の暮らしの中で,水に感謝し,祈ることを大切にしてきたのですね.(つづく)
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