エシカルcafeとしょかんのとなり(以下,となり)では,“エシカル”に基づいた商品や食材を提供することを大切にしています.具体的には,できる限り生産者の顔が見える商品や,環境に優しい食材を使用し,生態系や地球環境に配慮することを意識しています.
となりに季節ごとの野菜を提供してくれているのは,やどかり農園.今回は,やどかり農園の活動と,協働で実施したイベントをご紹介します.
自然から学び,自然を尊ぶ
やどかりの里の働く場の1つ,やどかり情報館(見沼区染谷)で取り組むのがやどかり農園です.2014年から見沼区御蔵で荒廃農地の開墾を開始し,2015年4月からやどかり農園として活動を開始しました.
やどかり農園では,肥料や農薬に頼らず,自然の潜在能力を活かし,植物本来の生き方に向き合う無肥料・自然栽培で固定種や在来種の野菜を中心に育てています.自家採取した種からの栽培にも取り組みながら,50品目,80品種を越える野菜を栽培.
自然の力と向き合う中では,昨今の異常な暑さや台風,豪雨という厳しさもあります.自然栽培の実践は簡単ではありませんが,環境や食べてもらう人の体に優しい野菜を届けたいという思いで,試行錯誤しながら取り組んでいます.
手前味噌づくりワークショップ
2024年3月20日(祝),となりでやどかり農園の「味噌づくり教室と“となり”ランチ」を開催しました.昨年に続いて2回目となる今回は,となりも白米と玄米のおむすびとやどかり農園の野菜と味噌をたっぷり使った味噌汁,副菜のワンプレートランチを提供.
昨年はやどかり農園の自然栽培大豆を使用した味噌づくりでしたが,残念ながら今年の大豆は不作だったため,自然栽培大豆を仕入れて行いました.2か月の赤ちゃんから大人まで,14名が集まり,和気あいあいと味噌づくりを満喫.昨年参加された人がお友だちを誘って参加してくれるなど好評で,申し込みから3日で満員になりました.
子どもも大人も楽しく味噌を踏み踏みしつつ,約2時間.大豆と天然塩,糀に加え,それぞれの手で育まれている常在菌をしっかり混ぜこみ,味噌の仕込みを完了.美味しく食べられるまでの約半年間は,味噌が参加した皆さんのおうちの空気を感じながら,じっくり醗酵する期間.きっとおいしい手前味噌が出来上がることでしょう.
やどかり農園では,作業体験や援農ボランティアも募集し,一緒に作業しています.自然栽培に関心のある人が時間のある時にボランティア参加してくれたり,ボーイスカウトの子どもたちが芋ほりを手伝ってくれたり……と,農を通して新たな出会いにつながっています.自然栽培を通して自然や植物本来の力に触れること,またそこから生まれる野菜の味わいが,多くの人に「おいしいはうれしい」を伝えていけたらと思います. (記 宗野 文)
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