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桜の見守りとやぎ散歩

 2024年3月16日(土)に『桜の見守りとやぎ散歩』がやどかり情報館にて開催された.当日は,キャラメルポップコーンの爆ぜる音と香りが食欲をそそり,キッチンカーではカレーライスやコーヒーなどが販売され,会場は来場者で賑わいを見せた.今回のメインイベントは,2頭のやぎ“喜々と楽々”とともに染谷地域を散歩し,桜の花見シーズンに備えてゴミ拾いを行うことだった.……しかし,ゴミ拾いどころか久しぶりの散歩に心を弾ませた喜々と楽々に人間が連れまわされるという思いも寄らぬ展開となってしまった


桜回廊サポーター活動


 つなぐ・つくるプロジェクト(以下,T.Tプロジェクト)は,2022年に見沼田んぼ桜回廊サポーターに登録した.見沼田んぼ桜回廊は,見沼代用水の西縁と東縁および見沼通船堀に連なる桜を見ながら散策できる,総延長20kmを超える日本一の桜回廊だ.サポーターは,日頃からの見守りに加え,イベント開催などを行いながら見守り活動を積極的に行う.


自由気ままな喜々と楽々

 イベント当日は30分程度の散策コースを参加者と一緒に歩いた.喜々と楽々は参加者のペースなど構わずに走り出す.走っては止まり,近くにある草を食べる.また走り出したと思えば今度はポロポロと糞を落とす.なんて自由だ.参加者とペースを合わせて歩いてもらうことは難しく,早々にあきらめた.

 喜々と楽々は普段はやどかり情報館の建物横にある小屋で過ごしている.運動不足でやや肥満体型だ.そのためか,勢いよく走っていたのも前半までで,次第にペースが落ち,ようやく全体のペースが整い,穏やかな散歩とゴミ拾いを行うことができた.


喜々と楽々がつなぎ役

 私も喜々と楽々とともに染谷地域を歩くのはとても久しぶりだった.道路にあまりゴミは落ちておらず,車通りも多くない.適度に食む草が残っており,少し進めば走り回ることができる広場もある.今回のイベントの案内をしたら近所の方々も喜々と楽々に会いに来てくれた.きっとこうした機会が続いていけば,今後も喜々と楽々がこの地域で寂しがらずに暮らすことができそうだ.

 「やぎに会いに行こう」と,やぎが来る方にとっての目的地になる.喜々と楽々を目にすれば,その可愛さや仕草に癒されて顔がほころぶ.そして「かわいいね」の言葉の次に出るのは「何でやぎを飼っているのですか」という疑問だ.そうして,来た方々とのコミュニケーションが始まる.まさにやぎが人と人とをつないでくれる瞬間だ.喜々と楽々はただ可愛いだけではない.つなぎ役という重要な役割を持った,T.Tプロジェクトの大切な一員なのだ.

 雨でも雪でも,夏でも冬でも……喜々と楽々は今日も草を食べ続ける. (記 伊藤 侑矢)

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