地域で暮らしていきたいから地域の「モノ」を大切に
- 宗野文
- 2024年7月20日
- 読了時間: 3分

エシカルcafeとしょかんのとなり(以下,となり)の定番メニューの1つが「となりのホットドッグ」.外側はパリっ,中はモチっとしたパンと,安心・安全な食品づくりに定評がある東京ウインナーのソーセージを使ったホットドッグは,お客様にも好評です.そのホットドッグのパンを作ってくれているのが,特定非営利活動法人ヒールアップハウス「晴れ晴れ(はればれ)」です.石崎美智さんにお話を伺いました.
「晴れ晴れ」ってどんなところ?
川口市で活動する「晴れ晴れ」では,障害のある人が焼き菓子やパンを作る仕事をしています.川口市北園町で小規模作業所として活動を開始し,現在は就労継続支援B型事業所として多くの障害のある人の暮らしと働くことを支えています.
東日本大震災を経て,2012年に施設の耐震基準が変わったことで,移転を余儀なくされました.いろいろな人や団体との出会いとつながり,支えが形となり,2022年5月に,芝園団地の敷地内に施設を新築.新たな場所で活動をスタートしました.
「社会に通用する商品にしなければならない」をモットーに,県産小麦・米粉など素材と味にこだわり,丁寧なモノづくりに取り組む「晴れ晴れ」.となりに納品されるホットドッグのパンも,何年もかけて改良されています.県産小麦にこだわり,余計なものを省き,現在の味にたどり着いたという逸品です.
ヒントはみんなの中にある
「晴れ晴れ」で働く障害のある人たちとこれからの活動について話し合ったとき,「これからも川口で暮らし続けたい」という思いが語られた,と石崎さん.自分たちが地域で生きていくためには,地域のことを知っていきたいし,地域に貢献できることを考えていきたい…….そんな思いで,地域のモノ(者・物)を大切にしていこうと決めたとのこと.

「いつの日か晴れ晴れから川口名物を発信しよう」という夢も生まれました.そんな中,川口市の産業でもある「鋳物」との出会いをきっかけに生まれたベーゴマクッキー.試行錯誤し,2年をかけて作り上げたベーゴマクッキーは,今や「晴れ晴れ」の看板商品の1つです.また,川口名産の麦味噌とベトナムのカカオニブを使った「麦味噌キャラメルサンド」は,川口市のお土産品として,川口名物として評価を得ています.
住民の4割が高齢者,また外国籍の人も多く暮らしている芝園団地.住民に何が必要とされているのかを考え,高齢者の方たちと運営する豆皿カフェや多国籍の世帯に向けた居場所の提供など,地域の現状から新しい活動を生み出す行動力を持つ「晴れ晴れ」.これからも生み出される川口発信のおいしいものが楽しみです. (記 宗野 文)

特定非営利活動法人ヒールアップハウス「晴れ晴れ」
埼玉県川口市芝園町3-19
TEL 048-269-8288
月~金 10:00~17:00
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