喜々と楽々が里帰りしている間(詳しくは前号参照),寝床と遊び場を整備することになった.しかし,予算がない上に設計や作業の知識・経験もない.そこで,地元の工務店の方々に相談したところ,設計に関するアドバイスに加え,端材提供でもご協力をいただくことができた.構造上で強度が必要なところには単管パイプ等の建材も用いることとした.自然素材を多く使用することで温かみのある小屋ができそうだ.工務店の方々のご協力により,強度がありつつ,材料費を必要最小限に抑えた形で小屋づくりの計画を進められることとなった.地元の工務店のご協力に心から感謝している.
なんとか始まった小屋づくりだったが,素人の設計図ほど頼りにならないも
のはない.設計図というよりもイメージ図に過ぎず,至るところに問題が生じ
た.作業初日から現場で資材の組み方を再考し,多くの修正が必要となった.
必要な備品も揃っておらず,買い出しや工務店への訪問などとても非効率だっ
たが,何とか形になり3月下旬には喜々と楽々を迎え入れることができた.小
屋のスペースが狭くなったからなのか……身体が一回り大きくなって帰ってきた気がするのはきっと私の気のせいだろう.
小屋づくりにおいて注意したことは2つ.まずは,高温多湿を避けることだ.ヤギは環境適応力は高いが,暑さにはとても弱い.屋外に小屋を設置するため,熱気がこもらないように注意した.また湿度が高い環境ではカビの繁殖により消化不良を引き起こす可能性が高まる.そのため,パレットを使って高床にし,小屋内には通気口を設けた.その通気口から顔を出して通りかかる人がいないか確認している姿は,意図していなかったがとても可愛らしい.
2つ目は,ヤギが落ち着ける場所を作ることだ.ヤギは狭い場所を好む傾向がある.また,普段から互いに寄り添い合っている2頭の様子から,別室ではなく相部屋にした.常にお互いの様子を確認できることが,安心感につながっているようだ.
ヤギ小屋の製作費は,現在販売しているヤギグッズ(トートバッグとポストカード)の売上から一部捻出した.また,日々の餌代も必要だ.グッズは“エシカル cafe としょかんのとなり”ややどかりの里の各所で販売している.グッズ購入等でぜひご支援をお願いします.
(記 伊藤 侑矢)
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